前回のおさらい
ERG理論とベネフィットを活用する事でお客様の欲求に的確にアプローチする事が分かったのですが

どんなお客様に対してアプローチするのが効果的なのかわかりませぇぇぇん!!
と、ご質問のインストラクターさんからのお悩みにお答え致します♪
前回までの記事はこちら♪

結論
- お客様をグループ化して集客を行う事が大切
- 4つのRを意識して行動する事!

スクールビジネスのコンサルタントやアドバイザーなどの中には、自身でスクールビジネスを実際に経営した事が無い人がとても多いという事実があります。
『習い事経営の大学ブログ』では、多店舗展開の実績とスクールビジネスでFIRE(経済的自由)を獲得しコンサルティング会社も経営する、がおうさん自らがリアルで実践的な有料級の情報を公開しています。
セグメンテーションとは何か?

セグメンテーション(セグメント)とはマーケティングの世界で活用している考え方の1つなのですが、
このマーケティングの技術をスクールビジネスに応用できている事業者は実はとても少なく
だからこそ活用できる事業者のみが勝ち続ける構図が生まれるのです。
セグメンテーションとはそもそも、『顧客を分ける』という事であり
その分けたグループの事を『セグメント』と言います。
例えば『年齢』『性別』『初心者or経験者』などでグループ化したものをセグメントと言い
『10代女性で初心者』と言った対象とした顧客の事を『ターゲット』と言います。
これらは用語程度に覚えて頂ければよいのですが
なぜ、これらのグループ化とその中から狙った客層を選択する必要があるのか?について詳しく解説致します。
前回、解説をした『ERG理論』を思い出して頂きたいのですが
お客様はモノやサービスを購入する際に発せられる欲求には
- 存在の欲求
- 人間関係の欲求
- 成長の欲求
の、3つに分類されるという事を学んで頂いたのですが
人の欲求と言うのは千差万別で、同じ人であっても環境や状況やその時々の心の移り変わりで、求める欲求が変わる特徴がある事から
様々な観点からお客様をグループ化したうえで、その中から狙った客層に向けて集客施策を行う事が
生徒を増やす為には必要な広告戦略となるのです。
例えば、『初心者向け』スクールを展開している事業者が
適切な『セグメンテーション=顧客を分ける』を行わず
初心者を含めた『中・上級者』に対して広告宣伝を実施していても
人が集まらないのは容易に想像できると思います。

そんなのちょっと考えればわかる事でしょ!
と、言われてしまいそうですが、
なぜか自身の事業に置き換えると、全くと言っていいほど、できていない事業者さんが多いのです。
正しく顧客を分けるには?
顧客を分けるといっても、どうしたら正しくグループ化できるか分からないと思いますので
今回は代表的な分け方をご紹介致します。
- 行動変数から分ける
- 人口統計数から分ける
- ベネフィットから分ける
スクールビジネスにおいてはこれらの3つの視点から顧客をグループ化して頂き
その中で皆さんが提供するモノやサービスにマッチした顧客にターゲットを絞り
集客施策を行う事がとても大切な考え方なのです。
行動変数とは?
お客様の『ライフサイクル』に応じて、『曜日』、『時間帯』などの環境や
自宅からの『距離』などの物理的要因や
お店までの『所要時間』などの時間的要因など
『お客様が来店できるかどうか?』によって分類する考え方となります。
例えば、幼児を対象とした場合、夜の19時~24時の時間帯で幼児クラスを開講しても生徒が集まらないという考え方や
北海道に住む顧客に対して、沖縄の店舗でキャンペーンをするので来てください!などと集客施策をしても意味が無いという考え方です。
『物理的要因・時間的要因』この2つの要因を考慮したグループ分けが『行動変数』となります。
物理的要因と時間的要因を考える際に、お客様がどんな毎日を過ごしているのだろう?と想いを巡らすことが大切となり
1人1人の『ライフサイクル』をしっかりと『観察』し見極める訓練を行っていきましょう。
人口統計数とは?
人口統計数とはお客様の『年齢』『性別』『職業』『家族構成』『所得』などによって分類する考え方となります。
例えば、90歳を対象とした場合、大学生レベルの運動強度がある運動系スクールへの入会金が割引となるキャンペーンを実施しても誰も入らないという考え方や
子どもの居ない家族構成の家庭に対して、幼児クラスのキャンペーンの案内を発信するなど
的外れな集客施策に出ない事が大切です。
人口統計数を正しく分類する為には、お客様の『ライフステージ』をしっかりと『観察』する必要があります。
ライフステージとは、人間の一生における『節目』であり
- 幼児期
- 学童期
- 思春期
- 就職、退職
- 結婚、出産、子育て
など、その節目となるステージ毎に必要となるモノやコトに対してグループ化するという考え方です。
ベネフィットから分ける
前回までの記事を読んで頂いた方は『ベネフィット』について理解ができていると思いますが
このベネフィットからグループ化するという事も大切なのです。
ベネフィットについては過去記事でご紹介しています♪

ベネフィットを要約しますと、
性能や仕様などの『スペック』を売りにするのではなく
それらを介して得られる『体験』を売りにする事が
「お客様にとって高い『価値』だと判断してもらえる」というものになります。
これらを『セグメンテーション=顧客を分ける』に応用する事で
お客様の『望む未来』毎にグループ化する事ができるのです。
例えばダンススクールの場合
- ただ上手になりたい人
- プロを目指している人
- ストレス発散の人
- 人との交流をしたい人
- 健康管理の人
などなど、ダンスを習うという『1つの目的』の中でも
多種多様なダンスを習おうと思った『原点』がお客様にはあります。
これらを考慮した『セグメンテーション=顧客を分ける』を行わずに
1つのクラスに、「ストレス発散の人」や「健康管理の人」や「プロを目指している人」などが混在したクラスを開講した場合

おいおいおい!!やる気が無いなら来ないでくれるかな!!こっちはプロ目指してるんだよっ!!
と、クレームが出てしまったり

ストレス発散に来てるのにガチでやられても息苦しいんだけど!!
と、クレームが出てしまったり
このクラスが崩壊するのがこの時点でも分かりますよね?
そもそも、その様なコンセプトのクラスを広告に出しても、生徒が集まりません。
この様に、お客様が『望む未来』毎にグループ化した集客施策を行う事が大切であり、
それを事業者側が提供できる受け皿をしっかりと準備するという事が求められるのです。
4つのRとは何か?
『セグメント=グループ化』を行う上で、『行動変数』『人口統計数』『ベネフィット』から分ける事の大切さが理解できたと思いますが
何でもかんでもグループ化すれば、集客効果が高まるというものでは無く
また、グループ化すればどんな集客施策でも刺さるわけではなく
効果を出す為には
グループ化に欠かせない『4つのR』を基準にグループ化を進める事がとても大切なのです。
- Rank(ランク)
- Realistic(リアル)
- Reach(リーチ)
- Response(レスポンス)
この『4つのRの原則』を活用する事で、集客施策がお客様に刺さるのです。
Rank(ランク)とは?
Rank(ランク)とは、グループ化した顧客の重要度や優先度がどの程度なのか?を推し量る基準であり、
グループ化した顧客が…
- あなたが行うビジネスと、どの程度マッチしているのか?
- 同業他社に取られたらマズいグループなのか?
- 同業他社が手掛けていないグループなのか?
など、重要度・優先度の『順位=ランク』の上位の『グループ=セグメント』に対して集客施策を行う必要性があります。
Realistic(リアル)とは?
Realistic(リアル)とは、そのグループを対象に商売をして
『十分な利益を確保できるか?』という『現実=リアル』面から見たグループであるか?を考える必要があります。
例えば、集客施策を行っても年間で10人しか来店しない様なニーズに対して集客施策を行っても
ビジネスとして成り立たないという事です。
『求める人の数』が少ない市場を『セグメンテーション=顧客を分ける』をしても意味がないのです。
Reach(リーチ)とは?
Reach(リーチ)とは、そのグループに対しての集客施策が
『しっかりと刺さる様に発信』する事ができるか?によって判断する基準となります。
例えば、『プロを育成する事ができます!』と広告宣伝をしておきながら
実際は『プロを育てた実績はありませんが募集しています』だとしたら
お客様には全くもって刺さりません。
あなたが自信をもって宣伝できる事柄が、グループ化した顧客に対して、『しっかりと届く』事が大切なのです。
Response(レスポンス)とは?
Response(レスポンス)とは、グループ化した顧客に対して集客施策を行った後に
- どの程度の効果があったのか?
- 何を改善したらいいのか?
- どんな反応だったのか?
といった、『フィードバックができる状態で発信』する方法を選択するという事です。

グループに対して集客施策をしたけども、効果があるか検証ができないなぁ…
この様な集客施策をしてしまうと、『何が正しくて』『何が間違いで』『どう改善したらいいか』この3つが分からず
憶測や願望で『できた!』『ダメだった!』と判断してしまう事から
しっかりと効果検証できるツールを用いて集客施策を行う事が大切です。
本日のまとめ
セグメンテーションやら、セグメントやら、ターゲットやらで頭が混乱してしまいそうですが
マーケティングの用語を覚える事が大切なのではなく
その意味を理解する事が重要となります。
『セグメンテーション=グループ化しようぜ!』
『セグメント=色々とグループ化したぜ!』
『ターゲット=このグループが気に入ったぜ!』
こんな感じで覚えてもらえればイメージしやすいと思います。
なぜグループ化が必要なのか?については以下のスクールがあったとした場合を想像したら理解しやすいと思います。
- 1歳から100歳まで入会できるクラス
- 1歳から100歳まで同じクラスでレッスンします
- そのクラスは1,000人まで収容できるクラスです
- 初心者からプロまで同じクラスでレッスンします
- そのクラスではサッカー・野球・ダンス・習字・そろばん・ヨガをやります
- 要望があれば他の習い事もやります
こんなレッスンが開講していたとしたら

え…なんのスクールなんですかここは?…
と、なりますよね?
お客様の心理として『なんでもやりますよー!』のお店には入りづらい心理が働くという特性を理解していただた時に
『セグメント=グループ化』を行い、自身の強みを活かす事ができるグループの顧客を『ターゲット』にして集客施策(広告宣伝等)を行う事が大切なのです。
ビジネス書籍を読む習慣のある人やマーケティングの知識がある人の中には…

これって『ペルソナ分析』の話ですよね?
と、感じた方も居ると思いますが、正解です!!ビジネスリテラシーのとても高い方ですね♪
集客について学び出すと『ペルソナ』というワードがちょくちょく出てくると思いますが
この『ペルソナ=人物像をリアルに設定』する為に必要な手順として
「セグメンテーション・セグメント」や「ベネフィット」や「ERG理論」や「4つのRの原則」が必要となるという事が今回学べたと思います♪
ただのダンスインストラクターであった私が、マーケティングの知識と出会い
事業経営に活かせたきっかけは
ハーバード・ビジネススクールの教授であったセオドア・レビット(1925~2006)の超有名な著書「マーケティング発想法」で紹介されている
ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく『穴』である
という言葉の意味に衝撃を受けマーケティングをスクールビジネスに応用しようと考えたのがきっかけでして
その後、この考え方を分かりやすく解説した本『ドリルを売るには穴を売れ』を学んだことで
より実践的にスクールビジネスに活用する事ができました。
集客にお困りの方やどうしたら生徒が集められるか?について悩んでいる人は
一人で悩む前にこの一冊をまず読んでみる事を超おすすめします!!
色々なマーケティング書籍を読んできましたが、初めて読む方にとってはこの本がずば抜けて分かりやすく
理解しやすい言葉で書かれているので、『生徒が来ない‼』と悩み、解決策を考える時間が1時間あったなら
この本を1時間読んだ方が絶対的に成果があがるといっても過言ではないほどです。
貴重な時間を有益なものに変えていきましょうね!
この記事が『良かった!』と思えた方は、コメントを頂けると執筆の励みになります♪
ブログランキングにエントリー中です!
コメント