【シミュレーション編】スタジオ経営者になる方法③

起業のコツ

今回のお悩み相談

スタジオ経営をいざ始めようと思ったのですが…

どんなビジネスモデルにしたらいいかわかりませぇぇぇん!!

と、質問をしてきたダンサーさんのお話をご紹介致します♪

 

前回に引き続き『スタジオ経営者になる方法』をお話致します!

これまでの記事はこちら!

起業のコツ
「起業のコツ」の記事一覧です。
結論
  • 持続可能なストックビジネスを目指そう!
  • 損益分岐点から料金設定を考えよう

ストックビジネスとは?

収益を上げる方法には大きく分けて『ストック型ビジネス』と『フロー型ビジネス』の2つのビジネスモデルがあります。

『ストックビジネス』とはストック型ビジネス、ストック収入などと呼ばれ、

蓄積型の売上毎月決まった金額を受け取る事のできるビジネスモデルの事を指し、

『会員制』や『サブスク』などといった持続的にサービスを提供しながら長期的に利益を得る仕組みとなります。

 

これとは逆にフロー型ビジネスというのは、ショットビジネスとも呼ばれ、都度毎の売上、都度毎の契約などによりその時々に応じて利益を得る仕組みとなります。

 

なぜストックビジネスが良いのか?

ストックビジネスの最大の利点は継続的な収益システムにより

売上予測が立つ』という事が挙げられます。

既にスクールビジネスを小規模で始められている方にとっては、「売上予測が立つのは当たり前でしょ?」と思われがちですが

他業種や飲食店の経営者から見ると『喉から手が出るほど羨ましい環境なのです。

 

個人事業主の約40%が1年以内に廃業』する理由は…

ビジネスモデルが『フロー型ビジネス』で設計されており、

売上予測が立たずに、継続的な収益を上げるシステムが作れなかった事に起因する廃業がとても多い現実があります。

それだけビジネスモデルの設計はとても重要な要素となり、継続的な利益をもたらす 

『ストック型ビジネス』は安定的かつ継続的な収益を上げる為にとても大切な考え方なのです。

 

これらのフロー型ビジネスを導入し『会員制システム』のもと、

料金の支払い方法を『毎月会費制』などで

毎月〇〇円のストック収入』が発生するビジネスモデルの構築が最優先の行動事項となります。

これらのストック型ビジネスを総称して『会員制ビジネス』とも呼ばれています。

 

ストックビジネスがもたらす恩恵

『経営の見通しが立つ』というのは『未来を見通すモノサシ』を手に入れた事であり、経営者にとってこれは『魔法のような力』を秘めているのです。

ストック型ビジネスは別名『農耕型』、フロー型ビジネスは『狩猟型』とも呼ばれる様に

原始の時代…『狩猟』という方法でしか食べ物を得る事が出来なかった、その日暮らしの人々は

農耕』というテクノロジーを手に入れた事により爆発的に発展していきました。

 

ストックビジネスは『安定的な収入源の確保』により、

この先の未来がどの様な形になるだろう?』という予測が

希望的観測』からではなく『現在の会員数』という実数値から見通すことが可能となり

現時点で『年間の売上予測』『利益予測』が見通すことができる事で

経営戦略がより具体的に立てられるというメリットがあるのです。

 

これだけに留まらず…

次回来店日も『確約』され『継続性』も確保できている事から、

お客様との『継続的なコミュニケーション』により『信頼関係』の構築が他のビジネスモデルより容易であり、

継続性が確保されたことによりお客様の囲い込み戦略も立てやすく、

顧客生涯価値:LTV』とよばれる『お客様が生涯を通じて自分のお店に支払ってくれる総額』も増える事で収益性が拡大します。

 

これらの事から、

  • 『安定的』である点
  • 『継続性』がある点
  • 『未来予測』が立てやすい点
  • 『信頼関係の構築』が容易な点
  • 『顧客生涯価値』が高い点

の観点から見ても、ストック型ビジネスでの起業がおすすめとなります♪

損益分岐点とは何か?

損益分岐点とは『売上』と『費用』を引いた損益が、プラスでもなくマイナスでもなく、

ゼロ』の状態となる事を言います。

この『ゼロ地点』を把握しないまま『店舗家賃』『月々の融資返済額』『社員の給与』などの『固定費』や

『アルバイトの給与』・『外注費』・『消耗品費』などの『変動費』を考慮せずに

価格設定』をしてしまうと、スタート前から『廃業コース確定となります。

 

損益分岐点を知る事で

  • 価格をいくらに設定すればいいのか?
  • 何人目のお客様から利益となるのか?

これらが把握しやすくなるのです。

 

損益分岐点の計算方法

損益分岐点の計算方法は『固定費』や『変動費』などの細かな数値から以下の計算式で…

損益分岐点売上高=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

この様な公式で求められるのですが、

何だこれぇぇ!わからないぃぃぃ!

と、なってしまいそうですが安心してください!

上記の計算式が無くても簡単に把握できます!

 

スクールビジネスを初めて行う方に共通する『大きな悩みの種』は…

  • 店舗設立時の借入金の返済が毎月できるかな…
  • 店舗家賃を支払えるだけの売上を作れるかな…

などの『固定費が支払えるのか?問題』に頭を抱える新米経営者さんが多いのです。

 

ストックビジネス(会員制)にてスタジオ経営を考えている場合は、上記の複雑な計算式が無くても簡単に月会費となる価格設定を把握できちゃいます!

その計算式はこちらです

(家賃+水道光熱費+融資返済月額+α)  ÷  月会費の設定額

こちらの『月会費の設定額』をご自身で決める事で

毎月の『固定費』が『ゼロ』になる状態にするためには

何人の生徒が必要なのか?』が計算できるのです。

プラスα』となっている部分については、

『アルバイト代』などの人件費(本来は変動費で計算します)が必要だと考えている場合はこちらも考慮に入れて計算してみましょう!

 

必要生徒数をまずは知ろう!

先ほどの計算により毎月の固定費を支払うだけの生徒数が『何人必要なのか?』が見えてきたと思います。

算出された生徒数が…

とてもじゃないけど、こんなに生徒集めれないよぉぉぉ泣

と、思われる方はまず以下の項目を見直してみましょう。

  1. 毎月の家賃額
  2. 毎月の融資返済額
  3. 会費設定額

スクールビジネスで早期廃業をされる方の多くは『家賃額』が高すぎて支払えなくなり廃業するパターンがとても多いのです!

大きなスタジオを開業したい気持ちは痛いほど分かりますが、『集客』についてまだ勉強不足なうちは、『経営者の器』相応の家賃となる店舗で戦うべきだとアドバイスをしておきます!

大きなビジネスをいきなり始めるのではなく、スモールビジネスから開始する事で失敗してもすぐに再起ができる形での事業経営が可能となります。

スモールビジネスについては過去記事でご紹介しています♪

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レンタルルームなどで、小さく開業する場合『内装工事費』などに関わる『融資』が必要無くなります。

こうなると、固定費は『レンタルルームの月間利用料』のみになってくる事から

その固定費を捻出する事ができる『生徒数』が『設定した会費額』では何人必要なのか?

この計算で『必要生徒数』がリアルに把握できます。

 

必要生徒数が分かる事で1か月あたりに何人の生徒を入会させる必要があるのか?

そして、何か月目で『必要生徒数』に達成し、黒字転換させる事ができるのか?という経営指標が見えてくるのです。

これらを踏まえたうえで

  • 店舗物件を選ぶ
  • 融資額を選ぶ
  • 開業前顧客数が何人必要か分かる

という行動が正しく行えるのです。

店舗選びの方法や開業前顧客については過去記事でご紹介しています♪

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会費設定額を安くすると地獄

会費設定額を安くした場合の試算で見えてくることは、

損益分岐点』を超える為に必要な『生徒数』が異常なほど必要になるという事です。

 

例えば家賃30万円の物件で会費額を3,000円とした場合…

単純にこの数値だけでも『100名』の生徒が固定費を賄う為に必要となり

この人数に達するまでは、

ずーーーっと『赤字経営』となるだけではなく

 

倍の会員数となる『200名』の生徒が集めれたとしても30万円の利益しか得られない。

これだけではなく、その他の固定費や変動費も発生する事から、損益分岐点に必要な生徒人数は

『100名』では全然足りないという現実が見えてくるのです。

 

これは、家賃が安い物件でも同じことが言えるのですが、会費設定を行う上で大切な事は

1人の生徒を入会させるのにどれくらいのコストが必要なのか?』を理解した価格設定にしているのか?という事なのです。

新米経営者さんはそれらのデータや経験値が少ないために分かりづらい情報となるのですが、

 

実は、1人の生徒が入会に至るまでに必要な『コスト』は

『会費額』に比例しない

という事実があります。

 

会費額が3,000円だろうが、会費額が1万円だろうが…

1人の生徒が入会に至るまでに必要なコストはさほど変わらないのです。

 

この事から、『生徒が来ないから安売りするしかない…』と必要以上に割安にしてしまう事で、

機会損失(儲け損ない)』となってしまい、

その事業継続ではキャッシュフローが悪化して、強い風が吹いただけで吹き飛んでしまう事業となってしまうのです。

 

異常なほど高価な料金設定』でない限りは、『価格が理由で集客率が低いのかな…』という風に答えを結び付ける事は極めて危険な考え方となりますので注意が必要です。

 

価格が高いからお客様が来ない』のではなく

お客様が求めるに応えていないからです

と、理解して頂いたときに価格以外の問題点が見えてくると思います。

 

お客様の声の聴き方についてはこちらの記事でもご紹介しています♪

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スクールビジネスを成功させるにはストックビジネスを採用する事が成功率を高め、着実に収益を増加させるモデルとなります。

ストックビジネスには月会費での収益モデルだけではなく、

そのほかにも多くのスタイルがあり、皆さんの事業に最適化させる為にはその仕組みをしっかりと理解しておく必要があります。

ストックビジネスについての入門編として、とても分かりやすく解説している本『ストックビジネスの教科書』を本日はご紹介致します!

 

スクールビジネスで、どのように収益の最大化を目指したらいいのか?と言うアイディアが広がるのです。

本日のまとめ

起業をする際に最も重要な準備とは『ビジネスモデル』をしっかりと作るという事です。

『事業計画』をしっかりと立て、まずはシミュレーション上で順調に経営できるか?を調べる必要があります。

新米経営者さんほど『ストックビジネス』で行う事が大切ですが、

ストックビジネスは効果が目に見えて大きくなるまで、とても長い時間が必要となります。

 

コツコツとストック収入を積み立てるという形は『複利』の考え方と同じく、

続けることで大きなパワーを生み出すと理解して頂き、1歩ずつ着実に進んで行く道を選択してみてください!

 

会費設定については、安売りをせず、適正価格の中で、

どの程度の生徒数が損益分岐点に至るまでには必要なのか?と

知ったうえでの価格設定と経営が大切となります。


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