今回のお悩み相談
上手にスタジオを経営している人たちは

どんな考えで経営してるのですかぁぁぁ!!
と、質問をしてきたダンサーさんのお話をご紹介致します♪
前回に引き続き『スタジオ経営者になる方法』をお話致します!
前回の記事はこちら!

結論
- 上手に経営するコツは『三方よし』の考え方
- 目先の利益ではなく長期的視点で判断する
- 利益増加の最大の武器は『学び続ける事』

「三方よし」の考えとは
江戸時代から明治にかけて活躍した近江商人(滋賀県近辺)の考え方として、ビジネスの世界では広く知られている事の言葉ですが
現代においても極めて有効な経営哲学として、多くの経営者が会社の理念としています。
三方よしとは
- 売り手よし
- 買い手よし
- 世間よし
と呼ばれその意味は…
『事業者とお客様が満足し、そのビジネスが社会にも貢献できている事』が
良い商売であるとする考え方となります。
事業者とお客様が満足するとは?
『三方よし』の考え方には『一方だけが満足する』商売は上手くいかないとしていまして、私もこの考え方には深く賛同しています。
例えば
- 事業者だけが得をする
- お客様だけが得をする
- 事業者だけが損をする
- お客様だけが損をする
この様なビジネスではやはり長続きはしません。
しかし多くの事業者は『お客様が来店してくれない』という理由から『過度に安売り』をしてしまったり『長時間労働』をしてしまいがちです。
これでは『薄利多売』となり利益が増えていかないため、事業継続が立ち行かなくなってしまいます…
また、『お客様を騙して大きな利益』を得る様なビジネスは論外ですが、このような事業者も多く蔓延しています。
お客様に尽くしてあげたいとする『奉仕の精神=サービス精神』という考え方はとても大切ですが、
過度に『自分を犠牲』にしてしまうと、それは奉仕の精神ではなく『お客様側だけが得をする』と言う形となり『三方よし』の考え方からずれてしまいます。
「自分だけが、相手だけが」という行動ではなく『お互いが満足できる』形を世の中に提供し続ける事がビジネスにおいてとても大切な要素となります。
世間よしとは何か?
事業者側とお客様側、双方が満足できる環境でビジネスが行えていたとしても『社会』に認められるビジネスでなければ、これまた長続きしません。
「『違法なもの』を売買し、売り手と買い手が満足している。」
それはビジネスとは呼びません。
『社会に認められ、社会からも求められる存在と成る』これこそがビジネスを長く続け、地域の皆様に愛される唯一の方法であります。
『与え・与えられる』という相互作用で育まれる信頼関係が、第三者から見ても賞賛される行為であれば…
事業を行う中で厳しい局面や大事となった時に、必ず誰かが助けれくれます。
『三方よし』の考え方でビジネスを上手に行い、成功している人たちは、皆一様に『与え・与えられ・賞賛し合える環境』の歯車の中で毎日を過ごしています。
とても単純なお話なのですが、『お金』があるから豊かなのではなく、豊かな考え方と生き方をしているから『お金』が増えていくというのが、成功者に共通する点なのです。
経営は目先ではなく未来を見る事

ビジネスが軌道に乗るまでの期間は『お金、お金、お金、お金!!!』とお金の事についてとても悩まされる事となるでしょう。
固定費などの毎月発生する経費に対して『どうしよう…』と頭を抱える経営者さんも多いはずです!
そんな時に、『お金』が得られる仕事のお話が舞い込んでくると『待ってましたぁぁぁ!』とばかりに飛びつきたくなる気持ちも痛いほど分かります…
何でもいいから『当面のお金が欲しいから!』と言う理由だけで『過度な割引』や『安請け合い』をし続けてしまうと、目先の安心は得られても、その先事業が大きく成長する事はありません。
新米経営者さんにありがちな罠として…
事業経営というものを知り、順調に進みだす時期になると
『経営って、そんなに難しくないじゃん!』と感じられる時期が必ずあります…
その時に、目先の利益だけにとらわれ、『本業』とは違ったビジネスを『新たに始めてしまう』と
本業すらも上手くいかなくなる事が多いのです。
相談に来られる方には常々口を酸っぱくして伝えている事は…

本業が自動化・システム化するまで本業の利益最大化に専念してください!!
と、お話をしています。
『自動化・システム化』とは、経営者自身がその事業の『労働者』とならずとも勝手に売上を生み出し続ける事が出来る状態。
簡単な言葉で表すと『自分が現場に出なくても勝手に利益が生まれる仕組み』を作るという事です。
現場で社員と一緒にバリバリ働く社長さんは『戦国の武将』の様に最前線で戦う為、信頼を集めやすいのですが、
経営者自身が現場で働かないと『経営が成り立たたないから働く』のか?
そうではなく、現場に居なくても経営が成り立つけども『現場で戦いたいから働く』のか?
このどちらかに『ご自身が居るのか?』がとても重要となります。
10人や100人規模のシステムではダメ!
目先の利益とは、簡単に言うと『拡張性の無い利益』であり、
目先の利益で飛びついたその仕事と同じ仕事を1,000件、1万件やったとしても、システム的に収益的に問題なく、『薄利多売』とならないのか?
この様な考えで『サービスの構築』や『受注』を行う事が大切なのです。

私の事業は1万人もの規模にするつもりが無いので…
このような事を仰られる相談者さんも多いのですが
仮に1万人規模のビジネスをするつもりが無くても、その人数が対応できる受け皿を想定して事業に臨まなければ
100人、1,000人規模にする事すらも難しいでしょう…
これは、ダンスの練習と同じく
『とりあえず上手になりたい!』と思い練習する人と
『世界大会で必ず勝つぞ!』と思い練習する人とは
スタートラインが同じであっても、例え世界大会で優勝できなかったとしても、その後の成果は全然違うのです。
じゃあもっとでっかく!『全人類をカバーできるシステムで事業を進めるぞぉぉぉ!』と考えシステムを構築する事が大切かと言うとそうではありません…
荒唐無稽なビジネスモデルではなく、まずは1,000人、1万人を想定したうえで『1人1人のお客様』と向き合う事が大切なのです。
『1,000人、1万人に拡張する事がどう考えても難しいな…むしろ100人すらも厳しいな…』と思えるような、目先の仕事は取るべきではないというのが正しく経営するコツとなります。
学び続ける事が一番儲かる!

事業を続けると『ウマい話』や『儲かる話』などを提案される機会が増えてくるものです。
しかし、断言できる事は『簡単に・楽して・短期間で・高収入』が得られる儲け話など100%ありません。
成功している経営者は、ビジネスの荒波を幾度となく乗り越えてきたので、実体験として分かる事、それは『痛み無くして、成功無し』という事です。
新米経営者さんが陥る罠として、経営においての成功体験と失敗体験の経験値がまだまだ浅い事で、運よくいい話が舞い込んだと騙されてしまう方も多いのですが
『ウマい話などこの世の何処にも存在していない』とまずは肝に銘じて頂き
『他力本願』や『ウマい話』で儲けようとする思考を捨てるところから始めてみましょう!
事業経営で一番儲かる唯一のお話は、誰かから聞かされる儲かる話ではなく
『勉強し続ける』といういう事です。
自己投資が最大の武器
起業したばかりの頃は、お金に余裕が無いという方も多いと思います。
私も同じく、赤字経営が続いていたので相当厳しい時期がありましたが…
その環境と経験があったからこそ、『利益を最大化できた』と断言できます。
起業したての頃は、『できる事より、できない事』の方が遥かに多いのですが、経営に必要な多岐に渡る要素やスキルを『できないまま』にせずに…
勉強する時間を作り『少しでも自分で出来る様にする』
これが後々、複利の効果の様にじわじわと効いてくるのです。
お金に余裕のない起業時は『できない事』をできないままにしていても、日雇い労働や融資などでキャッシュフロー(お金の循環)が、上手にできていれば何とか乗り切れるものです。
ここに大きな罠があるのですが…
ある程度軌道に乗ってくると、全て『お金』で解決できる事の方が増えてくるので、今までできなかった事の多くを『外注』してしまう傾向があります。
これにより『勉強する機会』が失われてしまう。
という大きな問題点があります。

勉強は嫌いだから外注さんに委任した方がいいよね!
と、思われるかもしれませんが『知らない事を知らないままで良し』という行動基準で経営をされる方の多くが…
時勢から外れ、環境が変わり、不況時や不調時に対応できず、市場から淘汰されていくのです。
お金の無いうちからできる最大で最強の施策は『学ぶ』という事なのです。
私の場合は、外注する『お金』が無かったので、
- 経営に関わる要素
- 広告に関わる要素
- 集客に関わる要素
- 税に関わる要素
その他、多くの必要な要素を、全てできる様に独学で1から学び
始めのうちはクオリティーも作業効率も低かったのですが、諦めずにコツコツと続ける事で成果も上がり、
今ではそのノウハウを活かして新たに事業を興し、その全てが自動化・システム化の中で円滑に運営できています。
元々全てを知っていた訳ではなく、こうなる事を予測して行ったわけでもなく、お金が無さ過ぎて『そうするしかなかった』という積み重ねが今の私を作っています。
『学び続ける事が一番儲かる!』というのは
目先の損得勘定ではなく、『知らない事を知る』というシンプルな『学ぶ』行動が
実は物凄いパワーを秘めているという事を知って頂きたいのです。
『売り手よし・買い手よし・世間よし』を体現してきた人として
経営者なら誰ても一度は名前を聞いたことのある、京セラ、第二電電(KDDI・AU)の創業者であり、日本航空を再建させた
『稲盛和夫さん』
私はこの方の経営哲学に触れて、大きな学びと経営の真髄を知る事が出来ました。
今でも頻繁に読み返すバイブル的著書となっているのが『京セラフィロソフィー』でして
当時零細企業であった京セラを、一代で大企業に育て上げた経営哲学は
どの経営者にも通じる学びの深い1冊となっています。
私が会った経営者の中でこの本を知らない人が居ないくらいの有名な1冊ですので、
経営者として活動するのであれば必ず読んでおきたい本ですね♪
本日のまとめ
『売り手よし』『買い手よし』『世間よし』の三方よしの考え方で事業を行う事で、自分もお客様も世間も幸せになれるビジネスができるという事をお伝えしました。
目先の利益や損得勘定で物事を決めるのではなく、
1,000人、1万人のお客様が対応できる規模を想定してビジネスを行う事が大切であり、
ビジネスを行う過程で出てきた『?』と思える事や『できない事』を『放置』せず
『まずは自分でやってみる!』という行動力と『勉強してみよう!』という行動力が…
『どんな儲け話よりも儲かる話』であると理解して頂き、コツコツと積み重ねる事が何よりも重要であると知って頂きたいのです。