【店舗物件選択】取り返しのつかない要素とは?

経営のコツ

今回のお悩み相談

スクールビジネスを新たに起業する予定ですが

賃料30万円かかる物件のチョイスはアリだと思いますか?』と、

初めての店舗選定に迷われている事業者さんのお話をご紹介致します♪

結論
  • 初めての起業で高額な賃料物件は廃業率UP
  • 店舗選択は『見栄』で選ばない!
  • スモールビジネスの積み重ねが大切

「やりたい事」と「できる事」の天秤

脱サラをして起業!独立して起業!など、

初めて事業を興す際に、多くの新米事業者さんは

賃料の高い物件』を選択する傾向があります。

この『高い』というのは、賃料そのものの価格が高いという点だけではなく、

スクールビジネス的に見た時に、賃料に見合った『立地』ではない高い物件を選択してしまうという点が挙げられます。

物件選択を安易に決める事で起こる、取り返しのつかない怖い事例を本日はお伝え致します♪

スクールビジネスにおいて、初めて物件を選ぶ際に

やりたい事』が全部できる物件を選んでしまうと、

経済の『不況期』や事業の『低迷期』において、

毎月必ず決まった額を支払い続ける必要のある、家賃はかなり痛い重荷になります。

起業の際に作る事業計画においては、『MAX』『MIN』『AVE』の3つの視点から事業計画や損益計算をするようにと相談者には伝えているのですが、

初めて起業をされる方の多くは『根拠のある数字』ではなく

憶測』によって自身の事業が成功するであろう

甘い事業計画を作ってしまいがちです。

自分のやりたい事を全て叶えられるお店作り

これは経営者にとて『夢のお城』ですが、

現実として多くのダンススタジオ店舗と他業種を手掛ける私でも

『夢のお城』を作った事は1度もありません。

  • 『あれもしたい!これもしたい!』
  • 『これができたら利益が上げるから大丈夫!』

と『やりたい事視点』だけで物件を選定してしまうのではなく

賃料設定において『やりたい事』が全部できる高額物件の賃料を、仕方なく払うという選択に対して、

この賃料&店舗面積であれば、〇〇までができるな!』という

できる事視点』で安価な賃料物件を選定する事が何よりも大切なのです。

ちなみに、起業経験のない方が、いきなり土地を購入し店舗を建てるという行為は、

超高難易度ゲームを目隠しでプレイでしている様なものです。

誰の為のお店なのか!?

ご相談される方の多くが『やりたい事視点』で、それが叶えられる物件を選定し、

高額な賃料となるパターンが多いのですが、

そのやりたい事の中に

  • 『これぐらい広くないと同業者に舐められる
  • 『狭い物件だと恥ずかしい

など、物件選択の条件の中に

見栄』という項目を入れた状態で選定している人がとても多いのです。

これから起業や店舗を設立しようと考えている方に、お伝えしたい事は

お客様はそんなちっぽけな事に対して一切興味が無い!』という事なのです。

そんな、ちっぽけな要素を満たす為に、

高額な賃料となる物件を進んで選択する経営能力はまだまだ未熟だと言わざるを得ません。

お店を構えるというのは、経営者として『自分の城』を手に入れたような気分となり、

1つの目標でもあると思いますが、自分の器以上のお城を手に入れたとしても、すぐに崩れ落ちてしまいます。

『自分の城を手に入れる為』に店舗を作るのか?

それとも『お客様の問題を解決する為』に店舗を作るのか?

ここで事業成功の可否が大きく決まってきます。

お客様の問題を解決するために

『どうしてもこの場所に、店舗が必要である』

とする『理念』が無い状態で、

お店を構えたとしても『お客様にとって価値のない店舗』であるため、

開業したばかりは物珍しさで客足が伸びますが、その後必ず低迷します。

物件を選定する際に1ミリでも『見栄』が出ているうちは、

お城を手に入れる時期ではない』と考えて見るのも1つだと思います。

賃料に応じた「できる事視点」で構築する

自分のやりたい事や見栄ではなく

『お客様の問題や願いが解消』できるという理念で物事を見た時に、

物件選択の際の条件が『この賃料と平米数であれば〇〇〇のラインまでなら、お客様の問題や願いが解消できる』

という『できる事視点』で物件を判断できるようになります。

  • カッコ悪いからもっと良い物件』
  • 恥ずかしいからもっと良い物件』

という視点が無くなる事で

どうしたらお客様の声に応えられるだろうか?』というアンテナが研ぎ澄まされていきます。

例えば、ダンススタジオの場合、

「10人収容できる店舗」より、「30人収容できる店舗」のほうが見栄えが良く

「自分の城」を持った感覚が強まりますが、

お客様にとって10人収容だろうが30人収容だろうが

私に対してしっかりとしたサービスをしてくれるお店』が

最高のお店』なのです。

まだ生徒が集まっても居ない、生徒の集め方も知らない、経営の経験もない方が、

いきなり高額な賃料を支払う店舗運営というのはあまりにもリスクが高いのです。

お客様は『お客様自身が満足できれば良い』と理解できた時に、

「30人収容できる店舗」でなければ『その願いが叶える事ができないのか?』という視点で考えるべきであり、

それ以下の家賃&店舗面積でも『お客様の声に応えられる』という現実が見えた時に、

無駄な家賃コストを払う必要が無いという理由が分かると思います。

そして、高額な家賃を支払う事業者は、そのシワ寄せが、

  • 「人件費の削減」
  • 「家賃コストを賄う為の高額な会費」

という施策に出てしまい、

お客様からの支持とサービス品質は下がり続ける形となります。

スモールビジネスが成功のカギ

既に多くの事業に成功している人ですらも

初めての業態は必ずスモールビジネス』から始めます。

小さく始めつつ、その業態の情報を集め、

この業態がこの先どの程度の収益見込みとなるか?を

『根拠のある数値』から予測し、

見込みが無い場合は「事業撤退」をします。

小さく始めるから、失敗したとしても『小さな損害』だけで済み、

すぐさま次の事業に『挑戦』できるのですが、

事業資金も十分にない頃から、ましてや初めての起業で『大きく始める人』は、

経営者ではなく『ギャンブラー』であり、失敗したときの損失は『再起不能』で借金まみれとなるリスクがあります。

運よく成功する方も居ますが『成功し続ける』ことは難しいでしょう。

私は常々、新米経営者さん達へ伝えている事は

『経営』は『ギャンブル』ではなく

事前に計画した設計図を、現実世界で計画通りに実践しながら、計画のズレが無いかを確認する作業が経営である』とお伝えしています。

『問題は起きるはずがない』とする考え方ではなく

問題は起きるものである』とする考え方によって

事前に『準備』や『予測』をしておくという事が大切なのです。

事業を小さく始める事は『』ではありません。

小さく始める自分が他人から小さく見られてしまうと気にする心が『恥』なのです。

見栄や自慢でお店を建てるのではなく、

誰の為に』『それを始めるのか?』と考え続ける事が成功のカギなのです。

本日のまとめ

起業初心者さんや新米事業者さんは『高額な賃料店舗』を選択する事が無いように

  • やりたい事ではなく「できる事視点」で選択
  • 誰の為のお店なのか?
  • 失敗しても再起できる小さな起業から!

これらの要素を踏まえたうえでの賃料設定がとても大切なのです。

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