今回のお悩み相談
世界に通用するスキルが身に付くダンススタジオを目指して頑張っていますが…
『生徒が集まらないばかりか、すぐに退会してしまうんですよぉぉぉぉ!!!』
と郊外エリアで経営をする事業者さんのお話を本日はご紹介致します♪
結論
- 物事には順序がある
- お魚が食べられるサイズの餌を与える事が大切!
- 「やりたい事視点」ではなく「してあげられる事視点」ができていますか?

お客様と共に成長する気持ちを忘れない
私自身の経験からも言える事は、
事業を始めて間もない頃は『目標に向かって突き進むぞぉぉ!』と高い志を持って取り組むのですが、
その目標が高すぎると、
多くの場合思い通りに行かずに空中分解してしまいます…
特に自身のダンススキルが高い方が経営者となる場合や、プレイヤーとしての受賞歴などが多い方が陥りやすい罠として
『自分と同じ結果になる様に、生徒も同じレベルまで上達させたい!』
と、強引に行動してしまうと
大多数のお客様は『共感』をしてくれません。
開業する「地域」の
- 「人口密集」
- 「アクセスの良さ」
- 「機会数施策」
の程度にもよりますが東京などの大都市以外の場合、
地域毎の『ダンスを習った事がある人の総数』と『ダンスを習った事が無い人の総数』の割合を調べてみると、
圧倒的に『ダンスを習った事が無い人の総数』の方が多いのです。
起業したての事業者の多くが陥る罠として
お客様が来店したときに
『習いに来たという事は上手くなりたいって事だよね』
『その気持ちに応えられるように!しっかり指導するね!』
と指導者側が勝手に思い込んでしまう場合があります。
先ほどもお伝えした通り、ダンスを習った事が無い人の総数が多いという状況をしっかりと『観察』できれば、
始めたばかりのお客様やこれから始めようとするお客様が
『先生レベルのスキルを身につけたい‼』と思って来てくれていると考える事は勝手な幻想であり、
実際にお客様からその言葉を聞く前に結論を出すには早すぎるのです。
皆さんも過去の人生を振り返ってみた時に
『よし!〇〇の世界チャンピオンになるために今日から習いに行こっと!』
と何かを始める事は極めて少ないと思います。
ダンスだけではなく全ての習い事に通ずるお話なのですが、
始めたばかりのお客様にとっての喜びは
『始められたという喜び』ただそれに尽きるという事です。
このスタジオはプロや世界に通用するスクールを目指しているのです
と言われたところで、
お客様からすると『いや…まずはどんなものか体験したかっただけなのですが…』となってしまい、
気後れしてしまいます。
誤った幻想に憑りつかれた指導者は「この生徒は上達が悪い!」「熱意も低い!」と思える生徒が居た場合、
『そんな気持ちだと上手くならないぞ!』と喝を飛ばしてしまいますが、
お客様からすると『ダンスを楽しめるだけで幸せだったのに、これだと楽しくない…』と退会率が増加してしまいます。
目標を高く掲げる事は経営者として、とても大切な要素ではありますが、
それを『お客様に強要』してはいけません。
ましてや自身の団体が立ち上がったばかりで、集客動線も確立していないうちにこれをやってしまうと
間違いなく廃業ルートとなります。
ここでのポイントは!
- その地域のお客様のニーズをしっかりと観察
- お客様が求めるレベルが提供できているかチェック
- 徐々にお客様の目標が高くなるように導く
この手順で『お客様と共にスタジオが成長していく』と考える事が何よりも大切なのです。
池とお魚と釣り竿

釣りのお話ではなく、
「池とお魚と釣り竿」とはビジネスの縮図として例え話なのですが、
皆さんがどの様なフィールドで事業をしているのか?これについて意外と分からずに経営をしている人が多いのです。
次の質問に答えてみてください!
あなたは、ある一定数のお魚が居る池で釣りをしようと考えています。あなたはどちらを選ぶでしょうか?
①「沢山の魚が居る大きな池」or「少ない魚しか居ない小さな池」
②「たくさんの魚を釣りたい」or「お目当ての魚だけでいい」
③「魚が食べられるサイズの餌」or「自分が釣り針につけたいサイズの餌」
どうでしょう?当たり前すぎる質問に読むのを止められそうですが…
ほぼすべての方が
『沢山の魚が居る大きな池で、たくさんの魚を釣りたいと願い、魚が食べられるサイズの餌で釣りをしよう!』と考えられたと思います。
しかし、これらを自身のビジネスの置き換えた時に、
皆さん本当にこの方法で釣りができていますか?
この地区には需要があるな!と踏んで、
『たくさんの魚が居るエリアに出店』した後に、いざ釣りを始めようとすると
『初心者じゃなく中上級者のみのスタジオにしよう』と自ら「ダンスを習った事がある少数の魚」だけに狙いを定めて、
「この餌が食べたいんだよなぁ~♪」というお魚さんの要望を完全に無視した形の
『私が提供したいのはこの餌のみです!』という手法で釣りを行った結果…
釣れない、、、
『全然生徒が集まらないから助けてぇぇぇぇ!!』と言ったところで…
『当たり前でしょ…』ってなりますよね!
自分で自分の首を絞めている事に気づかない
多くの事業を経営するなかで感じている事は、
ビジネスとは『如何にお客様の声に耳を傾ける事ができるだろうか?』これに尽きると思います。
お客様は縁もゆかりもないあなたに対してお金を払って頂けるのは、
『お客様の願いを叶える事ができているから』というとてもシンプルな仕組みなのです。
ビジネスで成功したいと考えられるのであれば、自分のやりたい事だけを提供するのではなく、お客様が望む事が何か?をしっかりと観察し、
お客様が食べられるサイズの指導を行い、
『自分が満足する為に』行うのではなく
『お客様が満足する為には自分は何ができるだろうか?』という視点で全ての選択を行う事が大切なのです。
池の中に居るお魚が望まないサイズの餌を釣り針につけても、応えてくれるお魚さんは限られているのです。
その限定的な状態を自ら作ってしまうビジネスモデルで成功する事は難しいでしょう。
釣り竿は1本ではない⁉
『沢山の魚が居る大きな池』で釣りをしているのは自分一人だと思いますか?
そんないい市場があれば同業他社も必ず釣り竿を伸ばしてくるという点も分かったうえでの行動が大切なのです。
その同業他社が、大多数のお魚が食べられるサイズの餌で、釣った後もどんな魚であろうとも大切に育てる事をしていたとしたら?その市場は同業他社に取られてしまいますよね。
『需要と供給』でビジネスが成り立っている以上、我々事業者は常に
『お客様から求められる存在』でなければなりません。
お客様が求めるモノに応え続ける事ができる事業者のみが、どの業界でも生存し続ける事ができると分かって頂いたときに、
『自分がやりたい事』は『お客様の願いを叶えてから』にしよう!
という心持ちがとても大切だと思います。
なぜなら、自分一人で叶えられない事柄であればあるほど、
他者に頼り、他者を介してでしか成し遂げられないと理解できると思います。
そして、自分の主張ばかりをする人間に人は手を差し伸べてはくれません。
まずは相手を助ける事で、相手から助けられる。
ビジネスも人生もその仕組みは変わらないという点を思い出して頂けると嬉しいです!